今日は、障害を持つ方とのコミュニケーションについて書いていきたいと思います。
当法人の施設では、精神障害や知的障害を持つ方が日々施設を利用しています。
中には両方の障害を持つ方もいらっしゃって、本当に様々なケースがあります。なので、一概にこれが正解と言えるものはないのですが、コミュニケーションの中で気を付けていることはいくつかあって、その一つが今日のテーマである“依存と信頼”です。
障害を持つ方の中には、職員や仲の良い別の利用者の方に対して甘えるようなコミュニケーションをとる方もいらっしゃいます。
30代、40代になってもぬいぐるみが手放せない人もいますし、自分を特別扱いしてもらわないと機嫌を損ねてしまう人もいらっしゃいます。
そんな時、いつも心のどこかに置いているのは、そのコミュニケーションは依存なのか?信頼なのか?という問いです。
職員や施設に依存している状況では、自立は難しいでしょうし、依存はどんどん強くなる傾向にあります。
元々は居てくれて嬉しい存在だったのに、いつしか居て当たり前になり、いなくなると許せなくなる。
恋人や生涯のパートナーであればそういったコミュニケーションもあるかもしれませんが、自立を目指す施設の職員と利用者という関係性でのコミュニケーションとしては適切とは言えません。
一方で、困りごとの相談や、これからの目標を決めて一緒に取り組んでいくという支援過程の中では職員や施設に対する信頼というのは決して欠かすことのできない重要な要素となります。
つまり、信頼はしてほしいけど、依存はしてほしくない。これが支援者としてのコミュニケーションです。
私たちが、コミュニケーションの中で依存をせず、信頼してもらうために意識していることがいくつかあってそれを今日は1つご紹介します。それは
与える比率と受け取る比率を整える
です。
コミュニケーションで依存が生じる場合には、与える側と受け取る側の割合が偏ってしまっていることが非常に多いです。一方の人が過剰に与えて、一方の人は受け取るばかりになっているケースです。
依存傾向が強い人はどちらかが非常に強い方がほとんどなので、どちらが多いかを見極めたうえでその比率を整えることで依存傾向を強めないようにします。
甘えたがりでいつもお願いばかりする方であれば、お願いを聞くたびに一つこちらのお願いも聞いてもらうようにする。逆におせっかいで人を構うことで自分の居場所を認識するようなタイプの人には、あえてこちらから与える機会を作ったり、時には受け取らないという選択をしたりすることもあります。
一概にこうするべき!とは言えませんが、職場や家庭の中でコミュニケーションがうまくいっていない時、そのコミュニケーションが依存になってしまっていないか、与える側と受け取る側に差が出来すぎていないか、これはすべてのコミュニケーションにおいて使えるフレームワークだと思います。
ご自身の職場や家庭でのコミュニケーションが旨くいかない時には、参考にしてみてください。
何事もバランスをとって、ほどほどに。ということですね。
暑い日が続きますが体調には気を付けてお過ごしください。
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