福祉施設の支援者として、障害をお持ちの方と一緒に仕事をするのは一般的に見れば特殊なことだと思います。
世間の常識、福祉の非常識といわれたりもするのですが、それくらいに全然違うこともたくさんあります。
精神障害や知的障害をお持ちの方ですから、往々にして仕事の能率は正直、一般に比べてかなり低いです。
2桁の数字がなかなか数えられない方もいらっしゃいますし、出来ている仕事を何度も何度も確認しないと次へ進めない方、一度指摘や注意を受けたことをその日のうちに何度も繰り返してしまう方など、様々な方がいらっしゃいます。
そんな時に私たちは、希望について考えることがあります。
このブログでももしかすると以前に出てきたかもしれませんが、ドリカムの【何度でも】という曲の中で、1万回ダメでへとへとになっても1万1回目はなにか変わるかもしれない。という歌詞をご紹介しました。
希望とはまさにそれで、普通に考えたら失敗を1万回繰り返す行為って、馬鹿馬鹿しくて、生産性も低くて、どうしようもない行為なんです。それが仕事ならなおさらで、給料泥棒といわれてしまうかもしれません。
でも、本人からすると1万回全部、成功すると思って行動していると思うんです。少なくとも、失敗と分かっていて失敗しに行っているわけではないですよね?もしかするとやり方も
ちょっとずつ変えていたり、はたから見たら同じように見える失敗も、少しずつ成長しているかもしれません。
でも、希望を捨ててしまったら、10回言ってもダメだからもうダメだよ。そうやって周りの人間が勝手に判断してしまったとしたら、その人は一生、1万1回目の瞬間を迎えることが出来ないでしょう。
大変尊敬している心理カウンセラーの衛藤信之先生という方がこんなことを仰っています。
「希望は僕らを見捨てない。見捨てるのはいつも僕らの方だ。僕らが希望を見捨てるんだ。」
その通りです。希望が勝手に手元から消えてなくなったことはありません。私たちが諦め、迷い、フタをした瞬間に、私たちの方が希望を捨ててしまうんです。
もちろん、結果が出ないこともあります。というより出ないことの方が何倍も多いのが実際の所でしょう。でも、何度失敗しようが、どんな状況になろうが、希望を捨てるかどうかの選択は、最後は自分自身がするのです。
あなたの、そしてあなたの大切な人の希望の光を、消してしまっていないか、振り返ってみるのもいいかもしれません。
希望は捨てない限り、いつもあなたの手元にあります。希望の光を、灯し続けていく。
それが支援者として、いや人として、すごく大事なことなんだろうと思います。
希望は、生産性より、お金より、知識より、技術より、ずっとずっと尊いもの。
どうかあなたも、希望を大切に。
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