新型コロナウイルスの影響は障害を持つ学生の就職にも影響しています。
特別支援学校では、5月~7月を中心に夏休み前に複数個所の企業や福祉施設への実習を行います。
障害の程度や種別、本人の特性などにより特別な対応が必要なことも少なくないため、面接や試験で採用を決めるのではなく、卒業後の進路は実習を重ねる中で探していくことも多いのです。
そんな中で今回の新型コロナウイルス、軒並み実習は中止や延期となり、通常通り企業や福祉施設が営業していたとしても他所から人を入れる判断が難しい場合もあって、計画の進行が難航している状況です。
実習が出来ず卒業後進路が決まらなければ当然、卒業後に行き場がない生徒も出てくる可能性があるわけです。もちろん、我々を含め各機関はそれを全力で防ぐために尽力するのですが今後の感染状況によってはうまく進まないケースも考えられます。
誰にとってもかけがえのない貴重な時間ですが、一生のうちで今しかない特別な期間を過ごしている学生たちにとって、その時間が失われてしまうことは本当に損失なのだと実感します。
特に障害を持つ方は、一度社会から離れて引きこもりなどになってしまうと、その後の社会復帰のハードルがより高くなってしまいます。
しかしながら福祉施設という特性上、万が一感染者を出してしまえば世間的にも相当なインパクトとしてとらえられてしまう。
どの事業もそうだと思いますが、福祉業界でも、今起きている問題が来年以降の人の人生に大きく響いてしまう可能性があるのです。
日々自分たちの無力感を感じます。しかし、そんな中でもどうにか実習が出来た学生さんやその親御さんの安堵した表情を見ていると、無力と思える仕事にも役割はあるのだなと、緩んだ襟元を正させてくれるような思いがします。
もしかしたら、コロナ騒動で生活が一変してしまい、自分の無力感にさいなまれてしまう瞬間もあるかもしれません。でも、僕らは元々、みんな無力なんですよね。
大人になって、無力じゃいけないと勝手に自分に高いハードルを課してしまっている。
ほんとは逆で、むしろ無力同士だからお互いに協力するんです。
だから 『無力、バンザイ(笑)!』
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