日本が抱えている最大の問題の一つが、超少子高齢化社会です。65歳以上の高齢の方の割合は、2019年時点で28.4%を数え、今後40%以上になることも予想されています。
超少子高齢化社会は経済・年金・介護にももちろん大きな影響を及ぼすのですが障害福祉の現場では少し問題が複雑化します。
65歳前後にかけて障害福祉の現場で起きてくるのが障害福祉から介護福祉への制度の切り替えの問題です。65歳を超えるタイミングで障害福祉から介護福祉への切り替えを行う必要があります。
一般の方でも家庭から介護施設などへ移るのはかなりの負担になりますが、そこに障害の要素が加わると、事態はより複雑化します。
介護施設の方は介護については専門家ですが障害については専門家ではありません。しかし実際には障害をお持ちでなおかつ高齢の方というのは、それ以外の一般的な高齢の方とは全く別の対応や配慮が必要になることも少なくありません。高齢化によって衰えた能力と、元々障害によって出来ないという能力は同じ出来ない、でも決して同じではないんです。介助、介護をするにもより難しいことも出てきます。
もちろん精神的な負担も大きく、環境の変化が苦手な方も多い。利用者・施設ともに双方の負担が圧倒的に大きなものになってしまいます。
とはいえ、やはり障害の施設で終身的な支援をすることも難しいのが現状です。
私たちのような田舎の施設で起きているのは、利用者全体の高齢化です。そして、その方たちは70歳、80歳を超える両親と同居し、面倒を見てもらっている例が少なくありません。
今この瞬間に問題が生じていないと、対応し行動するのがなかなか難しいものですから、なにかが起きたときにはかなり緊急かつ深刻な状況になっていることは少なくありません。
とはいえ、人手もお金も含めてリソースはすべてが不足状態、万一説得して早めに準備が整えられそうでもリソースの問題で進められることがないこともよくあります。
解決策がある話ではないですが経験上、介護への移行がうまくいくパターンとそうでないパターンがあって、一つはシンプルに支援者の技量と熱量です。本気でその人を支えるために何ができるのかを検討し、行動してくれる支援者が単独でなくチームで動いてくれれば、かなりの確率で介護への移行はうまくいきます。
もう一つは家族間の意思の共有です。話を進めるときに当然ですが、本人及びご家族と話し合い、同意の元に進めていきます。その中でよくあるのが本人と別の家族の意思や家族間での意思が揃わず、話が頓挫しどの方向にも進めなくなってしまうこと。
家族だからこそ思いも強く、譲れないポイントがそれぞれにあるようで、これが根深くなればなるほど、当然ですが問題解決からは遠ざかってしまいます。
それを考えると、本当の老後の準備というのは、お金を貯めることでも財産分与を考えることでもなくて、身近な人と話し合っておくことなのかもしれないですね。実際、その瞬間になって初めて家族の本当の意見を聞いたという方も多いですし、そうなってしまうと説得には時間も労力もかなり必要です。
問題が起きたその瞬間には冷静さも失ってしまうのでより感情的な部分も出やすいので余計にこじれてしまいます。
冷静で今問題が起きていない時、心の準備や意思をそろえる準備をしておくことがすごく大切なことなんだと思います。
といいつつ、私も何も出来ていませんので、少し考えたいと思います。
今日も頑張りましょう!
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